時事随想

時事随想

ニュースや新聞を見て、想ったことを綴った随想・論説集

法律

【自民党改憲案】第21条 (活動・結社の禁止) と治安維持法

自民党改憲案の第21条に新たに追加された「公益及び公の秩序を害することを目的とした活動と結社の禁止」は、「国体の変革と私有財産制度を否認することを目的とした結社」を禁止する治安維持法よりも規制対象がはるかに広いものと言えます。言ってみれば、…

【自民党改憲案】緊急事態条項 第99条 ー 内閣への全権委任 ー

2012年に発表した自民党改憲草案の緊急事態条項ですが、危険性があまり認識されていません。緊急事態条項の第99条は、内閣に国会が持つ権限を与えるもので、ナチスの全権委任法と同様な効果を有します。 本稿では、緊急事態条項のうち、第99条について、簡単…

安倍総理のメルマガ訴訟、菅元総理に「完全勝利」?〜荻上チキが判決文を読む(文字起こし)

原発デマメール問題を荻上チキが解説 原発に関する安倍さんのメルマガ問題。裁判で安倍さんが勝利したから、安倍さんは嘘を流していない、というような主張が、未だになされています。 このメルマガ訴訟の問題について、最高裁判決が出たのを機に、荻上チキ…

東京裁判について

大東亜戦争 侵略戦争は、悪である。 大東亜戦争は、悪である。 そこには、戦争犯罪が存在する。 これは、東京裁判の判決とは無関係である。 東京裁判 戦勝国による裁判だったとしても、 事実に疑いのない戦争犯罪を裁いたならば、 その判決には、妥当性があ…

【労政】高プロ制は高齢化社会の反映?

今国会にでも、法案成立となりそうな高度プロフェッショナル制度(高プロ制)ですが、財界にとっての導入の思惑には、次のようなことがあるのでしょうか? ① 高齢社員が多くなるも、既に管理職は飽和状態。 ② 昔なら管理職に昇格できた高齢社員も、管理職と…

【裁量労働】労働時間の上限規制を設けるべき

裁量労働制の拡大は一旦が見送りになりましたが*1、柔軟で効率的な働き方という裁量労働の趣旨に沿って運用できれば、良い制度だとは思っています。 しかし、問題は、長時間労働となりやすい、歯止めがないので使用者に悪用されるという点です。 この改善策…

憲法9条の改正案

憲法13条を絶対神とした憲法9条の拡大解釈はすべきではない。文理解釈で理解できる、つまり、中学生でも理解できる文章で、現状に即した9条に改正すべきである。 以下は、筆者が考える具体的な憲法9条の改正案である。 第9条 日本国は、正義と秩序を基調とす…

日本国憲法における自衛権行使の制限

本稿では、新しくできた無人島の領土問題を例に日本国憲法における自衛権行使の制限について考察する。 1. 国際紛争を解決するための武力行使であって、且つ、自衛のための武力行使であることはありうるか? 「国際紛争を解決するための武力行使であって、…

座間連続殺人事件に垣間見るGPS情報を用いた犯罪捜査

座間市で発生した連続殺人事件について、連日報道されています。残忍な事件の犠牲となった被害者のご冥福をお祈りいたします。 さて、この事件でちょっと気になったことがあります。警察が被害者の身元の特定で携帯電話のGPS位置履歴を用いた点です。過去に…

【憲法改正】首相の解散権は制限すべき

立憲民主党の枝野代表が首相の解散権の制限について述べているが*1、筆者も、行政府(首相)が制限なく立法府(衆議院)を解散できるという現状は、改善されるべきと思う。 現行憲法は、解散権の帰属を明示していない 現行憲法では、解散権の帰属が曖昧で、…

【NHK】ワンセグ携帯に受信契約の必要あり?ー水戸地裁判決ー

1. 水戸地裁の判決:「携帯」は「設置」に含まれる ワンセグ付携帯電話についてNHKとの受信契約が必要があるかどうか、水戸地裁で新たな司法判断が下されました*1。 2016年8月のさいたま地裁の判決では、受信契約の必要はないということでしたが、今回は必要…

【NHK】テレビ付き賃貸住宅で受信契約は必要か?-レオパレス受信料裁判-

今年の10月27日にレオパレスのテレビ付き賃貸住宅について、利用者にはNHKとの受信契約の義務はないとの判決が東京地裁で下され、NHKは敗訴しました。 この裁判は、立花孝志氏の支援による裁判ですが、立花氏はこれ以外にも、レオパレス関連の裁判を行ってお…

【NHK】ワンセグ携帯で受信契約は必要か?-ワンセグ受信料裁判-

今年の8月26日にワンセグ携帯電話しか持っていない場合に、NHK受信料を支払う義務があるかが争われた裁判で、さいたま地裁は、「契約の義務はない」とする判決を下しました*1。今回の記事では、この裁判を中心にワンセグ携帯における受信契約の必要性につい…

【NHK】イラネッチケー受信料裁判

前回の記事でイラネッチケーの合法性について説明しましたが、今回の記事では、「NHKから国民を守る党」の立花孝志氏が行っているイラネッチケー裁判について説明します。前回記事の検討は、本稿のイラネッチケー裁判の裁判0の設置条件に当たります。 【追…

【NHK】イラネッチケーを使って合法的に受信契約しない方法

「NHKから国民を守る党」の立花孝志氏が、NHKに対して、債務不存在確認を求めたイラネッチケー裁判の判決が今年7月20日に下りました*1。立花氏は敗訴しましたが、今回は、このイラネッチケーを用いて合法的にNHKと契約しない方法について説明したいと思いま…

【NHK】最高裁、受信契約の憲法判断へ

受信契約に関する最高裁裁判で、放送法64条について初の憲法判断を示す見込みとなりました *1。 この裁判は、テレビを設置・視聴していたにも関わらず、受信契約を行わない視聴者に対してNHKが訴えた裁判の上告審で、最高裁の小法廷(大谷剛彦裁判長)から大法…

【NHK】テレビ付き賃貸物件、支払い義務なし

10月27日にレオパレスのテレビ付き賃貸住宅について、居住者にNHK受信料の支払義務なしとの判決が東京地裁で下され、NHKは敗訴しました。報道を見る限りでは、NHKの敗訴は当然と言える内容でした。この判決に対して、NHKは控訴するようですが、素直に非を認…

我が家上空の厚木基地の自衛隊機は違法飛行?

1. 我が家上空の輸送機C-130Rの飛行高度は400m 以前の記事で、我が家上空に飛行する厚木基地の輸送機C-130Rの飛行高度を推定しました。推定した飛行高度は約400m。ドローンが飛行できる高度が150mまでなので、極端に差があるわけではありません。もしかした…

読売新聞の欺瞞:白紙領収書問題に関する社説

1. 読売新聞の社説 読売新聞の2016年10月10日の朝刊に、稲田防衛相や菅官房長官の政治資金パーティーの白紙領収書問題に関する社説が掲載されていました*1。主旨は、「政治資金パーティーの領収書の扱いを適正運用せよ」ということなので、これについては、…

【政治資金パーティー白紙領収書事件】主文:被告人・稲田朋美を懲役2年の実刑に処する

私文書偽造・同行使、政治資金規正法違反事件 判決 被告人 防衛大臣 稲田朋美 主文 被告人を懲役2年に処する。 理由 (罪となるべき事実) (領収書写しの提出の事実) 被告人は、被告人が代表を務める政治資金管理団体「ともみ組」の20012年から2014年に添付し…

政務活動費の不正受給に対する刑事告発

富山市議による政務活動費の不正受給が行われ、多数の議員が辞職する事態はいまだに続いています。富山市では定員40名に対して、ついに12名*1。富山の場合、これまで自主返還・議員辞職まででしたが、ついに、ついに富山市も刑事告発を行いました*2。今後、…

自民党憲法草案を読み解く(3):改正私案

自民党憲法草案について、これまでの記事で解説しました。この草案を読んでいて、考えた条文について、本稿でまとめました。言うなれば、自民党草案に対する対案です。対象とする条文は、前文と現行憲法97条、プライバシー権、知る権利、環境権、教育に国の…

自民党憲法草案を読み解く(2) : 第4章~第11章

「自民党憲法草案を読み解く(1):第1章~第3章」からの続きです。今回は、後半の第4章(国会)~第11章(最高法規)を読んでいきます。主に国政の制度に関する規定です。

自民党憲法草案を読み解く(1):第1章~第3章

安倍政権では、今度の臨時国会から憲法審査会を開いて憲法改正を推進するようです。先日のNHKの日曜討論をみていたら、自民党の憲法改正草案がベースとなる趣旨の自民党の二階幹事長の発言がありました。自民党草案をざっと目を通したことはあるのですが、こ…

政務活動費の不正受給は刑法犯罪

1. 富山市議による不正受給事件 政務活動費の不正受給により、連日のように議員が辞職している富山市議会。今日も、市議会議長が議員辞職するというニュースがありました*1。 1.1 不正受給の手口 不正受給の手口はいろいろあるようですが、報道されただけで…

【NHK】ワンセグ携帯、受信料の支払い義務なし

「ワンセグ放送 NHK受信料、支払い義務ない」(毎日新聞Web版, 2016/8/26*1 ) テレビを視聴できるワンセグ機能付き携帯電話しか持っていない場合に、NHKに受信料を支払う義務があるかが争われた訴訟で、さいたま地裁は26日、支払い義務はないとの判決…

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