時事随想

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時事随想

ニュースや新聞を見て、想ったことを綴った随想・論説集

ゴルゴ13、北朝鮮へ

「北、EEZに3発 - ミサイル - 首相「重大な脅威」」(読売新聞朝刊1面,2016/9/6)*1

 毎度、北朝鮮の傍若無人ぶりを見るにつけ、ゴルゴ13を送り込んで暗殺してしまえと思ってしまいます。

 現実問題としては、ゴルゴ13はいませんし、首領様一人を暗殺したからと言って、北朝鮮問題が解決される訳ではないでしょうが、今回は、ゴルゴ13が暗殺依頼を受け、実行してしまった場合の思考実験をしてみたいと思います*2

ゴルゴ13、暗殺依頼を受ける

 さて、ゴルゴ13に暗殺依頼をするのは、誰でしょうか?

 米国政府・韓国政府・日本政府・中国など政府系、あるいは、米国の軍産複合体あたりでしょうか?軍産複合体のうち、政府筋の意向を組んだ産業界の右派の大物からの依頼、あるいは、脱北者の少女の一輪の花によって依頼を受けるかもしれません。

ゴルゴ13、一発の銃弾で眉間を打ち抜く

 ゴルゴ13なら、途中苦難はあるでしょうが、一発の銃弾で眉間を打ち抜いて任務を完了します。民間人の犠牲者はありません。さすがスーパースターです。

 現実世界だと、一発で仕留めることは無理でしょうね。ビン・ラーディンを殺害したときのように((ウィキペディア, 「ウサーマ・ビン・ラーディンの殺害」.))米軍特殊部隊が急襲しても、失敗したら、反撃が恐ろしいです。日本・韓国にミサイル攻撃されることを想定しなければなりません。困った。

ゴルゴ13、北朝鮮を去る。その後は?

 ゴルゴ13は、北朝鮮を去って行く。その後は、残った人々の仕事です。

 どうするんだぁ...、その後は...。

 北朝鮮のその後の行方は、以下のケースのいずれかでしょうか?

  • case 1:独立国家として存続する。

    • case 1-1: 北朝鮮体制は崩壊しない。
      • case 1-1-1: 米国陣営(米韓日)との戦争に突入する。
      • case 1-1-2: 戦争はしないが、基本的な政策に変更なし。
      • case 1-1-3: 柔軟路線に転換するが、独立国家は維持。
      • case 1-1-4: 韓国との統合を目指す。
    • case 1-2: 米国の傀儡政権が樹立される。
    • case 1-3: 中国の傀儡政権が樹立される。
       
  • case 2: 国家としては崩壊する。

    • case 2-1: 韓国と統合する。
    • case 2-2: 北朝鮮の各派により内戦状態に突入する。
      • case 2-2-1: 中国と米国の代理戦争となる。
      • case 2-2-2: 大国の支援を受けない内戦状態。

 暗殺の直後に最もありそうなシナリオは、(a)独裁者を失った現政権に対する軍事クーデターが発生し軍事政権が樹立される、あるいは、(b) 米韓軍が軍事侵攻し、北朝鮮を制圧する((ウィキペディア, 「作戦計画5029」.))といったところでしょうか(その後、紆余曲折があり、結局は上記のケースのいずれかになる)。

 最終的には、ドイツやベトナムのように1つの国家として統合するのが、1つの民族として目指すべき姿なのでしょう。 そう言った意味では、case 1-1-4(韓国との統合を目指す)、case 2-1(韓国と統合する)が望ましい姿なのでしょうが、東西ドイツの統合よりもハードルが高そうです。統合後は、韓国が中心となる政治・経済の運営となるので、必然的に米国陣営の体制となります。

 中国としては、北朝鮮バッファーがなくなり、米国陣営と国境を接するのは、避けたいでしょうね。

 現状維持という意味では、case 1-1-3(柔軟路線に転換する)が、両大国・韓国にとっては、望ましいシナリオなのかもしれません。当面は問題の先送りになりますが、できるだけソフトランディングを目指すのであれば、case 1-1-3なのでしょう。

 韓国統一省などは、具体的にどのような統合シナリオを描いているのかよく知りませんが、いずれにせよ、いろいろハードルが高そうです。

まとめ

 ゴルゴ13はいません。現実は厳しいです。

(2016/9/7)

*1:読売新聞Web版、「北朝鮮、日本海に向けて弾道ミサイル3発を発射」, 2016/9/5.

*2:さいとう・たかを氏は朝鮮半島を舞台にしたエピソードも検討をしたそうです。(週刊文春, 「ゴルゴ13 朝鮮半島に現れない「深刻な理由」」, vol. 52(31), pp. 173-174, 2010-08-12, 文芸春秋)

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