憲法13条を絶対神とした憲法9条の拡大解釈はすべきではない。文理解釈で理解できる、つまり、中学生でも理解できる文章で、現状に即した9条に改正すべきである。
以下は、筆者が考える具体的な憲法9条の改正案である。
第9条 日本国は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、いかなる戦力をも保持せず、あらゆる戦争、武力による威嚇、武力の行使を永久に放棄する。
但し、我が国の防衛のための武力の行使、及び、そのために必要な最小限度内の武力の保持については、この限りではない。
- 解釈によっては、戦争や武力行使が容認されると解釈し得る修飾句「国権の発動たる」「国際紛争を解決する手段としては」を削除し、「あらゆる」に変更することで、解釈の余地なく、全面禁止を規定する。例外は、但し書きに規定する。
- 自衛権行使を認め、戦力不保持を保ちつつ自衛隊(実質的には軍隊)の存在と矛盾しないように規定している。このためには、「陸海空軍」は削除せざるを得ない。
- 交戦がない武力行使、武力行使がない交戦はない。交戦権否認は、盲腸のような存在なので、これを削除した。
- 「我が国の防衛のため」と限定することで、全面的な集団的自衛権行使は解禁しない(文案では限定的な集団的自衛権行使は容認している。個別的自衛権のみに限定する場合は若干の修正が必要である)
- PKO/PKFについては、本案では考慮していない。今後、検討が必要である。
- 自衛隊を記載する場合には、次の条項を追加する。
第9条 2項 日本国は、我が国の防衛のために必要な最小限度内の武力を有する自衛組織を保持する。
いずれにせよ、現在の9条1項、2項をそのまま残すのであれば、絶対神の憲法13条による9条の拡大解釈が必要となり、解釈改憲という立憲主義に悖る状態が継続されることになる。これは正さなければならないと考える。
(2018/2/8)
なお、本記事と同様の内容は、日経ビジネスオンラインの下記の記事に対するコメントとして、2月8日付で投稿している(コメントが掲載されるかは、現時点では不明)。
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本案は、twitter上での議論から生まれたものである。
第9条2項
— 天祐虎之助 (@TenyuToranosuke) 2018年2月6日
日本国は、我が国の防衛のために必要な最小限度内の戦力を有する自衛組織を保持する。
途中案を含めて、解説を画像で添付します。 pic.twitter.com/KCwQJJui9P