猥褻問題のトランプ氏、それでもめげない
猥褻問題でTIME誌曰くTotal Meltdownしてしまったトランプ氏。支持率も6ポイントぐらい差を開けられましたが、それでも6ポイントと小さな差とも言えます。米国の大手メディアは、あまりに差がつかないためか、いろいろと反トランプキャンペーンを組んでいるように見えます。インテリ層には受け入れられない候補でしょうが、そうでない層にとっては猥褻問題も大した問題ではないかもしれません。
これまでも、共和党予備選では泡沫候補視されたトランプ氏が圧勝し、英国のまさかのEU離脱(所謂、BREXIT)と、ここのところ専門家の予測は当てになりません。11月の大統領選で勝つ可能性は、0%ではなく、まだまだ残っているのではないかと思います。さすが筆者も、アメリカ国民が、"下品な大統領"ではなく、"好きになれない大統領"を選ぶとは思いますが、頭の片隅にはそうでないケースも想定しています(個人投資家なので(笑))。
支持率と円ドルレートの相関
ここのところのクリントン氏の支持率向上に影響があったのは、第1回テレビ討論会(9月27日)、第2回テレビ討論会(10月11日)とその直前のバスの中の会話が記録されていた猥褻発言ビデオとその後続く過去の猥褻問題。その前の9月中は、トランプ氏の目立った失点がなく、"好きになれない"クリントン氏がじりじりと支持率を下げたといったところでしょうか。
ここ2カ月ほどの円ドルレートを見ていると、どうも大統領選と連動しているように感じました。アメリカの政策金利も据え置きで、地政学的・政治的に大きなイベントはなく、円ドルはクリントン氏とトランプ氏の支持率と相関が強くなっているようです。図1に、ここ2カ月のクリントン氏の支持率とトランプ氏の支持率の差と、円ドルレートの推移を示しました。8月26日から8月29日の円安局面は、米国雇用統計と年内の政策金利の利上げの思惑による変動ですが、それを除くと、支持率と円ドルレートの相関があるように見えます。図2に8月31日から10月17日の間の相関散布図を図2に示しました。確かに相関があります。
図1:円ドルと支持率の推移 (2016/8/15-2016/10/17)。
左縦軸は、クリントン氏とトランプ氏の支持率の差。
(RealClearPoliticsの支持率データに基づき筆者作成)
図2:円ドルと支持率の相関散布図(2016/8/31-2016/10/17)。
支持率と円ドルレートには相関関係がある。
大統領選、今後も目が離せません
この相関を考えると、大統領選までは、クリントン氏が徐々に支持率を上げていけば、それに合わせて徐々に円安となりそうです。大統領選1週間後の円ドルレートは、クリントン大統領で安心のドル買いが起こって、2-3円の円安で105-108円といったところでしょうか。逆に、トランプ大統領サプライズならば、どこまで円高が進むのか、見当がつきませんが、個人的には1週間程度で10円弱の円高で90円台前半、一回反発するも、長期的には円高トレンドで、1ドル80円台になると予想しています。
(2016/10/18) (2016/12/12:追記) 思いっきり外しました(笑)。