時事随想

読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

時事随想

ニュースや新聞を見て、想ったことを綴った随想・論説集

働き方に中立な税制・社会保障制度の改革 (3) 自民党・民進党・政府税調の見直し案

 今回の政府与党以外の配偶者控除に関連した制度の見直しの具体的な案について、改めて調べてみました。調べたのは自民党・民進党と民主党政権下の「社会保障と税の一体改革」です。また、安倍政権で復活した政府税制調査会の検討についても説明します。

3. 自民党・民進党・政府税調の制度の見直し案

3.1 民主党政権下の「社会保障と税の一体改革」

 野田内閣のもと、2012年2月17日に閣議決定された「社会保障・税一体改革大綱について」では、冒頭ページにて「社会保障・税一体改革大綱に盛り込まれた具体的な施策については、政府・与党それぞれが、連携・協力しつつ、その実現に取り組む。」としました。

 その後、2012年6月21日に民主党・自民党・公明党のもとで、「社会保障と税の一体改革」に関する合意、所謂、三党合意がなされましたが、「社会保障制度改革国民会議を設置し、その提案をもとに改革を進める」ことが確認されただけで、具体案はこの段階でも提案されていません。「社会保障制度国民会議」は、2013年8月6日に安倍首相に最終報告書((社会保障制度改革国民会議, 「初回保証制度改革国民会議 報告書 ~確かな社会保障を将来世代に伝えるための道筋~」, 2013/8/6.))を提出し、解散しましたが、さまざまな社会保障に関する論点・視点をまとめているもので、具体策については示されていません。

 その後、安倍内閣により事実上「三党合意」は破棄され((
首相官邸, 「基本方針」, 2014/12/24.
朝日新聞, 「3党合意「破られた以上、守る責任なし」 民主・枝野氏」, 2015/11/29.))、現在に至っています。

 野田内閣で成立させた社会保障制度改革推進法に基づき進められた「社会保障と税の一体改革」について、「社会保障制度改革推進会議」にて議論が継続されていますが、配偶者控除 ・扶養控除などの税制改革については議論されていないようです((内閣官房, 「社会保障と税の一体改革」ホームページ.)) (安倍政権で復活した政府税調で議論している)。「社会保障と税の一体改革」のホームページで安倍政権以降に公表されている主な資料である「社会保障・税の一体改革による社会保障の充実に係る実施スケジュール」でも、税制度については消費税値上げしか示されておらず、活動休止状態のようです。

3.2 自民党

 自民党のホームページを検索式「配偶者OR扶養 控除 site:jimin.jp」でGoogle検索すると、例えば、以下のような民主党政権の政策を批判するプロパガンダがほとんどで、政策らいしい政策を見つけることが困難です。

  • 「民主党による「子ども手当の創設で」実は、子供のいない世帯では必ず増税。配偶者控除・扶養控除や児童手当が廃止に。子どものいない、または高校生以上の子どもがいても専業主婦世帯では増税になります」(新聞広告)
  • 「児童手当、配偶者・扶養控除は廃止に」(知っておきたい民主党の政策(6), 2009/7/28.)

 第二次安倍政権以降(2012/12/26-2016/11/30)に制限すると、僅か10件の情報発信しかなく、ほとんど議論されていないことが窺えます。

  • 「配偶者控除や第三号被保険者制度など、女性の活躍促進に大きく関連する税・社会保障制度は、女性の生き方・働き方に中立的なものとなるよう本格的に見直します」(参議院選挙公約2016)
  • 「これらを踏まえ、個人所得課税について、効果的・効率的に子育てを支援する観点、働き方の選択に対して中立的な税制を構築する観点を含め、社会・経済の構造変化に対応するための各種控除や税率構造の一体的な見直しを丁寧に検討する」(自民党・公明党「平成27年度税制改正大綱」(2014/12/30))
    他の改正案は、すぐに法案にできるレベルの具体性がありますが、個人所得税に関しては、項目を挙げているだけです。
  • 「社会保障は、社会保険制度を基本とします。消費税は、全額、社会保障に使います」「税や社会保険料を負担する国民の立場に立って、生活保護法を抜本改正して不公平なバラマキを阻止し、公平な制度を作ります」(自民党政権公約, 2016参議院選挙)

 個人所得税について女性活躍のための観点を含めて検討する、としていますが、特に具体的な内容については、語られていません。

 そして、記者会見での質問に答える形で、自民党政調会長から、今回の見直し案に繋がる発言が初めてありました。 

  • 「税調のスケジュールは決まっているので、それに沿ってやっていくということになると思います。働き方に中立的な税制を作っていくことは、「働き方改革」の大きなテーマの一つです。ここで、最初の壁と言われているのが、パート労働者のいわゆる「103万円の壁」。これを除去する税制改正ということであり、税調の議論を経て、年末には結論を得たいと思っています。」(茂木政調会長記者会見(2016/10/6) )

 自民党内ではほとんど議論した形跡がなく、突然、現れたのが今回の見直し案となります。茂木政調会長の記者会見では、政府税調による結果を受けるとの意図の発言でありますが、茂木政調会長のフライング発言で、自民党は政府税調の議論は反映せず、今回の見直し案を持ち出しています((産経ニュース, 「「茂木さんは税調会長になったのか」 麻生太郎財務相、配偶者控除見直し論議めぐりチクリ」, 2016/9/16.))((毎日新聞, 「配偶者控除存続へ 専業主婦世帯に配慮」, 2016/10/6.))。

3.3 民進党

 民主党・民進党における所得税改正についての主たる主張は、「給付付き税額控除制度」の導入ですが、制度の中身の具体策については、公表されていません。

3.3.1 民主党マニフェスト(2009)

 民主党の2009年の衆議院選挙のマニフェストで「給付付き税額控除制度」を提案しています。

給付付き税額控除制度の導入  相対的に高所得者に有利な所得控除を整理し、必要な人に確実に支援ができる給付付き税額控除制度を導入します。  生活保護などの社会保障制度の見直しと合わせて、①基礎控除に替わり「低所得者に対する生活支援を行う給付付き税額控除」消費税の逆進性緩和対策として、基礎的な消費支出にかかる消費税相当額を一律に税額控除し、控除しきれない部分については給付をする「給付付き消費税額控除」就労への動機付けのため、就労時間の伸びに合わせて「給付付き税額控除」の額を増額させ、就労による収入以上に実収入が大きく伸びる形で「就労を促進する給付付き税額控除」――のいずれかの目的若しくはその組み合わせの形で導入することを検討します。ただし、不正還付・不正受給を防ぐためにも所得の正確な把握が必要であり、納税と社会保障給付に共通の番号制度の導入が前提となります。  なお、税額控除額全額を控除するだけの税額がなく、給付を受けることになる場合は、その給付額はまずは年金や医療等の社会保険料負担分と相殺することを検討します。
出典:民主党, 「第45回衆議院選挙 マニフェスト2009」, 2009.

3.3.2 民進党政策集(2016)

 また、民進党となった現在でも、主要政策の一つとして「給付付き税額控除」を提案しています。

所得税
● 所得再分配の観点、子育て等で負担の大きい給与所得者を支える観点などから、「所得控除から税額控除・給付付き税額控除・手当へ」の流れを進めます。
● その流れの中で、共稼ぎ世帯、ひとり親家庭の増加など世帯の態様の変化や家計の実質的な負担に配慮しつつ、配偶者控除も含め、人的控除全体の見直しを行います。
● 格差是正の観点から消費税の逆進性対策としての給付付き税額控除を早急に導入するとともに、子育て支援、ワーキングプア対策の視点を加味し給付付き税額控除の導入に向けた検討を行います。
出典:民進党政策集2016(税制)

中立的な税制の実現
● 共働き世帯の増加など社会の構造変化に対応し、男女共同参画社会に資する、性やライフスタイルに中立的な税制の実現に取り組みます。
● 年金の第3号被保険者の見直しを検討するとともに、共稼ぎ世帯、ひとり親家庭の増加など世帯の態様の変化や家計の実質的な負担に配慮しつつ、配偶者控除も含め、人的控除全体の見直しを行います。
出典:民進党政策集2016(内閣:男女共同参画・子ども)

3.3.3 国会審議中の「給付付き税額控除の導入」に関する法案

 第190回国会(現在開かれている国会)では、消費税増税の逆進性に伴う軽減措置として、軽減税率に代わり「給付付き税額控除」を行う法案を提出しています。

(給付付き税額控除の導入)
第四条 政府は、消費税の逆進性を緩和するため、次に掲げる方針に従って給付付き税額控除を導入するものとし、このために必要な法制上の措置その他の措置を講ずるものとする。
 一 給付付き税額控除において所得税の額から控除する額は、居住者一人当たりの飲食料品の購入に要する費用の額に係る消費税の負担額として家計統計(統計法(平成十九年法律第五十三号)第二条第四項に規定する基幹統計である家計統計をいう。)における食料に係る消費支出の額(酒類及び外食に係るものを除く。)、消費税の収入見込額等を勘案して算定した額の十分の二に相当する額を基礎として計算するものとすること。この場合において、当該控除する額は居住者の所得の額の逓増に応じて逓減するように定めるとともに、一定以上の所得を有する者については給付付き税額控除における控除を行わないものとすること。
 二 給付付き税額控除に関する事務は、別に法律で定めるところにより内閣府の外局として置かれる歳入庁がつかさどるものとすること。
 三 消費税率の引上げと同時に、給付付き税額控除を導入するものとすること。
(消費税の軽減税率制度の廃止)
第五条 政府は、消費税の軽減税率制度を廃止するものとし、このために必要な法制上の措置その他の措置を講ずるものとする。
出典:山尾志桜里他, 「消費税率の引上げの期日の延期及び給付付き税額控除の導入等に関する法律案」, 第190回国会提出, 衆法52号.

 この法案は基本法的な位置づけなのでしょうか。この法案を見る限りでは、給付付き税額控除が定義されておらず、控除額(あるいは額の計算方法)や「一定以上の所得」等も示されていないため、これだけでは実行不可能な法案となっています。民進党提案のため可決されることはありませんが、(財務省などの協力なしで)民進党だけでは実行可能性のあるより具体的な制度案を作成することが難しいということでしょうか。

3.4 安倍政権下での政府税制調査会

3.4.1 政府税制調査会における検討

 自民党では、具体的な制度設計については議論された痕跡はなく、実際の検討は、政府税制調査会(政府税調)、特に基礎問題小委員会で検討されています((土居丈朗, 「【政策会議日記10】配偶者控除見直しの真の狙いは(税制調査会)」, 2014/4/14.))。安倍政権下での「働き方の選択に対して中立的な税制・社会保障制度」の改革のために、この基礎問題小委員会は、2014年4月14日に設置されました((内閣府, 「第6回税制調査会資料一覧」, 2014/4/14.))。政府税調の成果(及び他の社会保障制度改革)は、2016年6月2日に閣議決定された「経済財政運営と改革の基本方針2016」の中に次のような形で反映されています。

(3)就業を希望する女性・高齢者の就業促進、非正規雇用労働者の待遇改善等
(略)
 女性が働きやすい税制・社会保障制度・配偶者手当等への見直しについては、働きたい人が働きやすい環境整備の実現に向けた具体的検討を進める。税制については、政府税制調査会が取りまとめたこれまでの論点整理※1を踏まえ、幅広く丁寧な国民的議論を進める。社会保障制度については、年金機能強化法による本年10 月からの大企業における被用者保険の適用拡大に加え、中小企業にも適用拡大の途を開くための制度的措置を講ずるとともに、施行状況、就労実態や企業への影響等を勘案して、更なる適用拡大に向けた検討を着実に進める。その際、就業調整を防ぎ、被用者保険の適用拡大を円滑に進める観点から、短時間労働者の賃金引上げや本人の希望を踏まえて働く時間を延ばすことを通じて、人材確保を図る事業主を支援するキャリアアップ助成金が十分に活用されるよう周知徹底するとともに、人手不足の状況などを注視し、必要に応じて充実・強化する。国家公務員の配偶者に係る扶養手当については、人事院に対し検討を要請しており、その検討結果を踏まえ、速やかに対処する。民間企業における配偶者手当についても、厚生労働省において取りまとめた「配偶者手当の在り方の検討に関し考慮すべき事項」※2について広く周知を図り、労使に対しその在り方の検討を促していく。
※1:「働き方の選択に対して中立的な税制の構築をはじめとする個人所得課税改革に関する論点整理(第一次レポート)」(平成26年11月7日政府税制調査会取りまとめ)及び「経済社会の構造変化を踏まえた税制のあり方に関する論点整理」(平成27年11月13日政府税制調査会取りまとめ)
※2:「配偶者手当の在り方の検討に関し考慮すべき事項」(平成28年5月9日付基発0509第1号)
出典:内閣府, 「経済財政運営と改革の基本方針2016 ~600兆円経済への道筋~」, 2016/6/2. PDF

 ここで、引用されている政府税調の二つの報告書が、現在公表されている諮問に対する報告書となっており、最新の報告書は「経済社会の構造変化を踏まえた税制のあり方に関する中間報告」として、2016年11月14日に発行されています。

 この中間報告書では、本来は二重控除問題の解消や配偶者控除に変わる新たな控除制度について政府税調で検討された議論に基づき、選択肢(A案~C案)が提示されるべきものと思われます。しかしながら、これまでの政府税調では全くと言ってよいほど議論されていなかった「配偶者控除の収入制限の引き上げ」案が突如として現れます。

 中間報告書発行時点では、既に、与党で収入制限の引き上げで意見調整が行われていたと思いますので、政府税調もそれに歩調を合わせて、中間報告書を作成したのではないかと推測できます。

(前略:筆者注:A~C案問題点の提示)
 なお、前述のとおり、配偶者控除に係る「103万円」という水準が企業の配偶者手当の支給基準として援用されていることなどが就業調整という喫緊の課題の一因ではないかとの指摘に 対応する観点から、配偶者控除について、税収中立の 考え方を踏まえつつ、配偶者の収入制限である「103万円」を引き上げることも一案との意見があった。

 この問題は、家族のあり方や働き方に関する国民の価値観に深く関わる問題でもあることから、国民的議論が十分に尽くされることを望みたい。
出典:税制調査会, 「経済社会の構造変化を踏まえた税制のあり方に関する中間報告」, 2016/11/14.

 このように、これまで議論してきた選択肢に課題があることを上げた上で、ほとんど議論されていなかった「配偶者控除の収入の引き上げ」についての記述が肯定的に加えられ、国民の議論に付すという形で締めくくられています。

 税調で議論された選択肢については後述しますが、働き方に中立な税制案である選択肢B-2は、それまでの税調議論では議論されていなかった実施の困難性が挙げられて、課題があるとされています。

 他方、個人単位課税を基本とする我が国の所得税制において世帯単位で税負担を捉える考え方を導入することをどう考えるか、多数の納税者について控除の移転が行われると考えられる中で配偶者の所得を適時・ 正確に把握して納税者本人に課税を行うことは実務上困難である、といった課題がある。

 しかしながら、実務上困難であるとしている理由が不明です。現状でも、夫婦が誰であるかという名寄せ(世帯統合)はできていると思います。不足している情報は、移転分の控除額だけでしょうか。例えば、一旦、夫婦両方の年末調整(必要に応じて確定申告)を行った後、税務当局により、名寄せ(世帯統合)を行い、移転分の控除額を確定させ、還付させます。いまでも、確定申告により、還付や追加の税支払を行っていますので、容易に実現できるでしょう。特にマイナンバーを活用すれば、効率的に実務が行えます。

 また、世帯単位の税負担を否定するのであれば、既に実施されている配偶者控除も世帯を前提とする世帯単位の概念を含んだ課税体系なので、否定する根拠としては弱いです。配偶者控除の適用範囲の拡大という結論を導くための理由付け以上の意味はないのではないかと思います。

3.4.2 政府税制調査会が中間報告で提示した選択肢

 政府税調で提示された案は、以下の資料で提示されています。

 図3.1にそれぞれの選択肢の概要を示します。

 選択肢Aは、配偶者控除を廃止・制限し、子育て支援を拡充する案です。そのうち選択肢A-1は、配偶者控除を完全に廃止、選択肢A-2は、高所得世帯に限定して廃止するものです。選択肢A-1では、これまで配偶者控除を受けていた世帯の負担が大幅に増加しますが、働き方には中立的です。選択肢A-2では配偶者控除の適用に世帯所得制限をかけますが、所得制限が掛からない大部分の世帯にとっては、働き方に中立的でない制度として残ります。

 選択肢Bは移転的基礎控除を導入し、二重控除問題を解消する案です。選択肢B-1は現行と同じ所得控除として導入する場合と、選択肢B-2は税額控除で導入する場合です。選択肢B-1では、現行で問題となる二重控除を解消しますが、現行制度の働き方に中立的でない制度はそのまま残ってしまいます。選択肢B-2は、税額控除することで、配偶者所得の所得に依存せず、控除額が一定となり、働き方にも中立的な税制度となります。

 選択肢Cは、配偶者控除を廃止し、「夫婦世帯」を対象に新しい制度を作るというものです。仮に図に示すように夫婦控除を所得制限なしに夫婦に与えるものであるとすれば、働き方には中立的です。但し、夫・妻ともに所得制限を掛けない配偶者控除と同じとなり、二重控除を認める制度となります。

 従って、働き方の中立性を保つという観点では、選択肢A-1と選択肢B-2、選択肢Cの三つが、選択肢として残ります。さらに、二重控除を解消するのであれば、選択肢Cは二重控除を認める制度であるため、選択肢A-1と選択肢B-2が残ります。


  • 選択肢A:配偶者控除の廃止・制限し、増税分を子育て支援を拡充する。
    • 選択肢A-1:配偶者控除の廃止する。
    • 選択肢A-2:配偶者控除に所得制限を設ける。
f:id:toranosuke_blog:20161207190523p:plain:w350
選択肢A-1
f:id:toranosuke_blog:20161207190531p:plain
選択肢A-2

  • 選択肢B:移転的基礎控除の導入を導入し、二重控除問題を解消する。
    • 選択肢B-1:控除できない配偶者の基礎控除を、世帯主に移転する。
    • 選択肢B-2:税額控除のもとで、移転的基礎控除を導入する。
f:id:toranosuke_blog:20161207191302p:plain:w350
選択肢B-1
二重控除は解消されるが、配偶者収入の増加こ伴い控除が減額され、働き方に中立的でない問題は解消されない。また、二重控除の恩恵を受けていた世帯が増税となる。

f:id:toranosuke_blog:20161207191311p:plain:w350
選択肢B-2
基礎控除を税額控除化。配偶者収入によらず控除額が一定となり、働き方に中立となる。

  • 選択肢C:配偶者控除を廃止し、「夫婦世帯控除」を作る。
f:id:toranosuke_blog:20161207192715p:plain:w350
選択肢C
夫婦世帯控除の詳細なし。仮に図の点線のように単純に夫婦控除を世帯主・配偶者の年収に依存せず控除枠を設定するのであれば、配偶者控除の年収制限を撤廃することと等しい(適用対象が大幅に拡大するので、配偶者控除の控除額は減額する必要がある)。
図3.1 政府税調の中間報告における選択肢。

3.5 まとめ

 自民党・民進党・政府税調などの税制の見直し案について調べました。

  • 民主党・民進党では、基本的には給付付き税額控除をこれまで提案し、法案も提出しています。
  • 安倍政権の「働き方に中立な税制」を検討するために、政府税調にて制度案が検討されました。
  • 自民党は、あまり議論されてこなった様子です。

 今回の配偶者控除の適用範囲の拡大という税制改正案はは、政府税調の議論とは特に関係なく、自民党と公明党の短期間の話し合いで決定されました。

 残念ながら、長期的展望に立った税制改革には程遠く、衆院解散・総選挙が噂される中での選挙対策案のように見えてしまいます。

(2016/12/8)

Copyright © Tenyu Toranosuke. 時事随想 All Rights Rreserved.